Subject   : トリアージ(triage)

カテゴリー : 医療 > 


 トリアージ(triage)
 災害などで多数の負傷者が出たときに、緊急の手当を加えれば生命が助かる見込みのある負傷者よりも、生命にはまったく危険のない負傷者を先に治療したり、医療機関に搬送(はんそう)したりすれば、助かる命も助からないという事態がおこります。このようなことがおこらないように、治療や搬送の優先順位をつけて、負傷者を分類することをトリアージといいます。  このトリアージでは、遺体や手当を加えても助かる見込みのない絶対予後不良者に対する救助活動は後回しということになりますが、非情なようでも、ひとりでも多くの人の生命を救うために、やむを得ない処置です。  トリアージでは、ふつう、負傷者をつぎの4群に分類します。

● 第1順位(最優先治療群)
比較的簡単な手当で生命を救える重傷者。窒息(ちっそく)、緊張性気胸(きんちょうせいききょう)、心(しん)タンポナーデ、多発外傷、止血が可能な持続出血(じぞくしゅっけつ)、急性硬膜外血腫(きゅうせいこうまくがいけっしゅ)など。  赤色のタッグをつける。

● 第2順位(準救急治療群、待機治療群)
2〜3時間、または数時間手当が遅くなっても生命に危険はないが、手術などのために入院が必要な負傷者で、ショックをおこしていない負傷者。脊髄損傷(せきずいそんしょう)、多発骨折(たはつこっせつ)、合併症のない大骨折、中等度の熱傷(ねっしょう)など。

● 第3順位(治療保留群)
外来治療で対応できる軽傷者や歩行可能な人。小さいけが、打撲(だぼく)、小骨折など。救急車ではなく、バスなどで近くの医療機関への搬送が原則。  緑色のタッグをつける。

● 第4順位(不搬送群)
明らかな遺体。多少の生命徴候はあっても、生命を救える見込みのない絶対予後不良者。高度の頭蓋骨(ずがいこつ)の変形と脳の脱出をともなう頭部外傷(とうぶがいしょう)など。黒色のタッグをつける。

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