Subject   : プライシング (Pricing)

カテゴリー : ビジネス > 


 プライシング (Pricing)
 プライシングとは、製品やサービスなどの価格を設定することです。従来は、仕入原価に一定の上乗せをして価格を算出する「マークアップ・プライシング」が代表的でした。これは、あくまでも供給者の論理に立つものであり、必ずしも消費者の論理に立つものではありません。 製品やサービスの価格を決定すること。価格の決まり方は、企業主導から消費者主導へと移ってきている。

 例えば、「期間」「支店」「商品」というディメンションを持つキューブがあるとすると、「支店ごと月別商品別売上推移表」や「月別支店別売上推移表」など集計軸の異なるさまざまな表を作成する操作がダイシングである。

● 3Cを意識したプライシング
 戦略を立案するときと同様に、3C、すなわち(1)Customer(顧客)、(2)Competitor(競合企業)、(3)Company(自社企業)を意識してプライシングを行う必要があります。

(1) 顧客である消費者の購買意欲を知ることがまず重要になります。多くの場合、消費者は参照価格(代替製品の価格)を意識します。何が代替製品であるかを知ることが重要です。また、消費者によって購買意欲は異なります。同一価格では販売数量の最大化や売上の最大化を実現することはできません。したがって、バージョニング(異なるバージョンで価格を変えること。本のハードカバーと文庫本での価格の相違)、グループプライシング(顧客属性ごとに価格をかえること。映画における学生割引やシニア割引)といった技法が用いられます。
(2) 競合企業がいかなるプライシングをとるか、自社がそれに対していかなる対抗策をとるかという状況は、ゲーム理論を利用して記述することができます。例えば、相手の動きに疑心暗鬼になり、双方が回避したかった価格戦争に陥るのは典型的な「囚人のジレンマ」です。量販店のチラシにある「他店が1円でも安ければさらに値引きします」というのは、こちらからは値引き合戦を仕掛けない戦略であると解釈できます。
(3) プライシングの基礎となる自社企業のコスト構造をうまく活用すれば、様々なプライシングを展開できます。例えば、サンクコスト(埋没費用)を回収しようとせず、今後必要となる投資や費用を考慮して価格を決定すれば、より柔軟な価格設定が可能です。大型の公共投資で橋梁やトンネルを構築した場合、すでにかかってしまった費用を回収しようとして価格を高く設定し、結果的に一層赤字幅を増やしてしまうのは、サンクコストを考慮していないプライシングといえます。
 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る] inserted by FC2 system